[ 50台中9台が誌面に掲載されました ]
2010年2月下旬に全国の書店に並んだスポーツ自転車の月刊誌 『 サイクル・スポーツ 3月号』 では98ページ目から 2010HBフェア の紹介記事を載せておられます。 参加23社が約50台を出品したなかから、9台がカラー写真で紹介されており、ありがたいことに当社のステンレス自転車も掲載されました。 もっと頑張れとエールを送られた心持ちがしつつ、感謝です。

台湾製の安価な製品が国内外に流入して出回るなかで、日本という国の為替や物価の水準から、『 価格 』 という評価軸では不利となりがちなメイド・イン・ジャパン製品。取材してくださった記者の方は、ビジネスの合理 だけではない強い意志がなければやってられない "ニッポンものづくり" というロックンロールな世界に光を当てて応援するのだ、という静かな熱意を感じさせる方でした。人気ビルダーの製品の( 投入技術に比して ) 低い価格を懸念して、 もっと真価に見合った売価とするほうが良い循環を生むと思うんだが という意味のことを口にしておられたことが、印象に残っています。  
 
 
[ メイド・イン・ジャパンは野茂 ]
上で 台湾製品が市場を席巻している現状の中でメイドインジャパンにエールを と書きましたが、私たちは決して国粋主義者ではないし 〜 冬季オリンピックの最中ですが 〜 ナショナリズムに傾倒してもいません。 アジア蔑視の感覚も全くありません。台湾製品の品質が素晴らしいことは知っています。懸念しているのは製品やそれを作る努力には全く罪がないレベルの話、『 為替 』 による 『 製造原価の国際競争力 』 のことです。製品の売り上げ原価の中で最大の費目は大抵の場合、人件費。
品質の優劣や、製造方針の高邁さや、技術力とは関係なく、ただ為替のおかげで、日本国内でまともに暮らす人件費を支払うと国際競争力がなくなり、国内の工場は分野を問わず次々と閉鎖されていきます。
( ※参考関連番組→ )。
消費者の立場では、安価に高品質な製品が手に入るなら、製造国は気にしなくともけっこうです。それが当然で、消費者の皆さんには何の罪もありません。当社の社員も金属製品以外の日用品を選ぶ際には ( かすかに気にかかりつつ ) メイドインジャパンにこだわりません。
というわけで、日本製品にエール( 叱咤を含めて ) を送ることとは、偏りや狂信とはまったく無縁な、おそらく DNAにも 「 そう感じろ 」 と書かれているので逆らうほうが不自然とさえいえる、自然な感情なのです。

 

[ ケンウッド社は国内工場閉鎖 ]
このNHKスペシャル 『 メイドインジャパンの命運 』 では国内で製造することに見切りをつけて工場を閉じ、   中国のOEMメーカーに生産委託するケンウッド社も紹介されていました。番組では同社が知的所有権のライ  センス料に狙いを絞って、『考えるのはうちの国。 造るのはあなたの国。分け前は交渉。』 という新しい収益 形態を開拓しようと模索する様子も、紹介されていました。 番組を見た私たちは、工場を擁し製造設備や資材
を購入しモノとカネが活発に動く製造業のビジネスと、机で作業する知的所有権ビジネスとの、 両者の雇
用吸収力や2次3次経済波及効果には、相当の差があるのではないか、という事が気にかかりました。
必死の模索を行っておられる企業にはエールを送りたい。でも日本が元気になる道筋はそれだけだろうかと。

 

 
 
[ 日本のモノづくりに自信を感じたいなら ]
■日本のモノづくりについて自信を喪失するようなニュースが少なくない昨今。いやメイドインジャパンはすごいのだ!とその底力を再確認したい方、自信を取り戻したい気分の方が、目を通すと勇気がわいてくるドキュメンタリー本(ルポルタージュ)があります。
■書籍 『 メタルカラの時代  』 に趣向は似ていますが、業界を自動車に絞った本である 『 クルマはかくして作られる です。そのなかで著者の福野礼一郎氏は、ピラミッド建設について述べています。旧来は 「 奴隷が強制労働でムチ打たれながら作業した 」 風に言われていましたが、今に残る当時の落書きを解読すると、王を讃えたり建設意欲を宣言するものが少なくないのだとか。福野氏は、どんなに強大な権力が指揮をとったとしても、理不尽で強制的な労働は決して高い品質を生まないのだと述べてい
 
 
ます。作業に熟練すれば監視を盗んで手を抜くことなど幾らでもできるのだと。 この著者もモノづくり業界に所属していた人です。その視点から 「 だから作業者の不満は必ず製品の品質を低下させる 」 「 ということは日本製品が優れているならば、それは個々の作業者が、強制されない自由な意思に基づき、工夫や努力や改善に対して喜びを感じつつ取り組んだ結果である 」 と述べています。
"大変ではあるけれども、モノづくりは根本的に素晴らしく面白い仕事である" というお話には全く賛同できます。
 

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