●( まちなみ景観 にささやかに貢献 )
「地域に貢献と言うがその金具は何に貢献するのだ?」 と問われたならばそれは 「 まちなみ景観の向上 」
です。松江市は観光都市。人口は地域の活力の基礎数値ですが、人口減少時代は様々な売上げ(消費)が縮小していきます。そのなかで観光収益だけは人口が減ろうが高齢化しようが向上が見込める、ということはヨーロッパ各国の観光収益を眺めるとよく理解できます。
観光旅行とは。例えば 『 旅費を出すからパリを旅して来なさい。ただし 1)目隠し 2)耳栓 3)鼻栓 の3つのうちいずれかをずっと身に着けるのが条件だ
』と言われたならば、圧倒的に多くの人は目隠しを避けるでしょう。付帯要素を除いた末に残る旅の核心とは、パリを嗅ぎに行くのではなくて、パリを見に行くのです。松江市は観光都市であり、旅行者が
"激しい開発を逃れた山陰・湖畔の城下町を訪ねてみよう" と 交通不便な山陰を訪ねる決心をしたその期待に応えることが望まれます。
引き戸取っ手の飾り金具はいわば、"店構え"
や "建物の佇まい" をファッションに例えた時の、イヤリングやカフスボタンなどアクセント小物。全体を劇的に変化させるものではないけれども、目を引いて存在感はある。 無理をせずにできる範囲で
まちづくり にささやかにささやかに貢献する、全国初・松江発のミニプロジェクトなのです。
●( Tax Free なプロジェクトです
)
この "中心商店街のまちづくりプロジェクト" は、[ 調査費・視察費・企画費・金具デザイン作成費・材料費・加工費・人件費・取付費・打ち合わせ協議費・パンフレットデザイン費・印刷費・HP制作費
] などの活動経費を、参画している民間商業者と民間工業者らが負担しています。 行政の 『 まちづくり支援事業予算
』 などの公的資金を用いない " Tax Free " な、民間企業による社会貢献活動です。
●( 活動とその結果生じる成果 のイメージが具体的です
)
まちおこし事業の中には、
1)ある活動を行うと → 2)地域が活性化する
という1と2の間に大きな飛躍があり具体的な道筋や目標のぼやけているものがあります。例えばある事業の成果が「その問題を皆が考えるきっかけとなれば
」 「 "機運" が盛り上がった( いつ頃までに何%程度何の状況が改善するかが定かでない
) 」 などと総括される類の事業で、過去15年余りに渡って全国の中心商店街で毎年繰り返し行われてきました。
"考えるきっかけ作り" はまず失敗のない活動です。そうした事業は確実に、誰かが考えるきっかけになっています。そこには貴重な血税を、あたるか外れるか分からないギャンブル的な事業には使い難くて、ほぼ確実に『
成功した 』と総括できる事業を志向する、行政の傾向が現れているのかも知れません。
一方で課題に正面から取り組んでその課題軽減効果の量を検証もする活動では『 事業費の割りに効果薄し 』等という明白な失敗もあり得ます。我々の引き戸取っ手金具プロジェクトの目標は、
A) 3年で50店舗に取り付け、
B) それによって有名観光ガイド本等で「松江では取っ手金具に注目して歩こう 」 などと紹介されることを目指し、
C) 実際に取っ手金具の写真を撮って歩く観光客の増加を 各金具取り付け店 が実感すること。
D) それが10年20年後の将来の松江の、伝統(地域資源)と化していくこと。
です。目標の量が明確なので、3年で50店舗に達しない、いつまでも有名ガイドブックに載らない、取り付け店は飾り金具の効果を実感できない、などの目標未達もあり得ます。
●( 中間コストを省くまちづくりプロジェクトです
)
流通・小売・製造など多くの業界では中間コストを省いてより高効率に最終受益者へサービスを届けようとする流れがあります。いわゆる『
まちづくり活動 』の多くは、
官庁の現場支援制度や支援予算の管理部局が、
→ 課題のある現場( まちづくりの場合は中心市街地商店街や各個店 ) に助成やサポートサービスを投下する。
という体制で行われますが、多くの場合官庁は「 民間まちづくりコンサルタント業者 」に活性化支援イベントなどまちづくり事業の企画運営の詳細を外注するそうです。その場合、制度が用意した助成金が現場に届く前に、民間コンサルタント業者がその一部を抜いていきます。活性化アイデア募集の優秀賞賞金総額50万円を
「活動の現場」 に配って支援するために、募集事務の企画運営費やポスターのデザイン費や印刷費など「運営事業費」として官庁と現場の中間にいる代行コンサルタントに250万円が支払われる、など。 適切な場所へ50万円を届けて支援するための選定コストが250万円。
金額が逆だと良いのですが。
制度事務局と現場の間で発生する"外注費" など中間コストはなるべく省く。 厳しい財政の時代
( 参考→ ) にはそのような、公益事業の運営姿勢が求められているように思われます。
当引き戸取っ手飾りプロジェクトは、コンサル会社やまちづくり系市民団体に外注するためのコストはかけておりません。現場商業者がみずから主人公となって参画し進めている、中間コストを省いた公益活動です。
●( 日本経済新聞で当プロジェクト紹介 )
日本経済新聞( 中国版 ) 2011年2月15日版5面において、当 「 引き戸取っ手飾り金具プロジェクト
」 が紹介されました。
●( 松江商工会議所月報 『 しょほう 』
でプロジェクト紹介 )
松江市中心市街地活性化協議会のタウンマネージャーの方が、当プロジェクトに関心を持ってくださり、商工会議所月報の連載コラム
『 街の元気の種発見!』 にて、概要を紹介してくださいました。 プロジェクトの趣旨に強く賛同してくださり、当ホームページの声を尊重して引用する形の記事となっており、恐縮しました(
しょほうHP→
)。
●( 有川浩氏 『 県庁おもてなし課 』
)
県庁から頂戴する仕事(お金)に全く依存していないしていないし、官庁流の事業推進作法に慣れていなければ精通してもいない売れっ子作家。 いわば県庁が普段接する
『 安心して仕事を依頼できる、ソフト型公共事業の熟練民間業者 』 『 御用学者 』 ではない立場の方だからこそ、"実効性あるコンサルティング"
ができる事例として、面白いそうです(
参考→ )。
何が『 あたりまえで自然な慣れ親しんだこと 』になっているかによって、思考方法や対策の方向がまったく変わってくるというお話だそうです。 |