■[ 米国では都市内自転車交通推奨策を10年以上継続している ]
米国主要都市における自転車交通促進策レーンを整備すれば通勤者はそれを利用します
ジェニファーディル女史とテレサカー女史によるポートランド州大学抽出調査のいくつかは、車線で区切られた自転車通行帯または自転車専用道がより多く整備されれば、より多くの自転車通勤者が発生すると示しました。自転車通行帯または自転車専用道があれば、自転車通勤は安全で安心だという認識が高まるからだと考えられます。そして多くの公共政策立案者は『他の便利な公共交通手段と組み合わせて自転車を利用しよう』という政策プロモーションを増やしています。

合衆国政府と州政府の支出は過去10年で大きく増加してきました。前段で挙げた研究では、人口動態と地理的条件のほかに政策が、 自転車交通量に大きく相関していると指摘しています。少なくとも1つの分析法では、自転車通行帯または自転車専用道というインフラの充実度と、自転車交通の増加には相関があると明らかにしました。この研究は全米の35の大都市を抽出して分析したものです。これらの因子分析では、自転車移動が極端に多い大学町は含めないで一般的な都市の主要層を対象としました。また2000年版米国センサスの一貫したデータを分析に用いています。

マクドナルド氏とバーンズ氏は、フェニックス市の自転車通勤常習者が、必ずしも直線最短ルートを通らず、自転車レーンなど安全なインフラを利用できるルートに通勤路を変更していることを掴んでいます。
ネルソン氏とアレン氏の報告では、NBWSのデータを用いつつ外部影響変数をコントロールして、自転車通勤量と自転車レーン量という2変数相互の相関を説明しています。米国内の18都市に関する5つの外部変数( 高温日数・雨天日数・地形・住民1人当たり自転車レーン長 ) の調査を元に、レーン長以外の数字及び住民に対する学生の比率の影響を補正して、2変数だけの相関を分析しているのです。  彼らは、人口10万人に対して自転車レーンが1マイル( 1.6km ) 延びると、自転車通勤人口が0.069%増えると分析しています。10万人の0.069%はおよそ69人です ( 1km延長で0.043%−43人増に相当 ) 。 ※参考:( 回帰分析→ )
自転車通勤者を増やすような因果関係に関するこの説明に関して、他の調査報告が自転車通勤に関するその他多様な変数についても調べていることに触れておきましょう。例えばバルテス氏は、284地域に関する全米通勤交通手段センサスのデータを元にして、自転車通勤と、人口動態要素や地理的要素との相関について調べています。一連の回帰式から、通勤者の年齢・自動車の有無・人種・自宅所有・職業・地区学生比率・中心市街地に住んでいるかどうか、などの変数が自転車通勤発生量に影響すると分析しています。例えばバルデス氏は、人口密度と平均所得は、単位人口当り自転車通勤発生量にあまり相関がないと分析していますが、しかし変数のいくつかは高い相関を持っていると分析しています。高い相関を持つ変数は、安全な自転車レーンの充実度と、学生比率 = 調査地区が大学町であるかどうか、などです。
 
 
以上 『 Bicycle Commuting and Facilities in Major U.S. Cities 』 より一部抜粋し友森工業にて翻訳引用 

 
 
 

 

[ ポートランド市自転車交通推奨ブログ( Blog タイトルの写真に歩道外の自転車レーン ) ]