■この度製作したのは、出雲大社に伝わる金輪御造営図に基づく古代出雲大社の復元図です。
有限会社友森工業が本拠とする山陰地方が、全国に誇る地域資源である 「 出雲大社 」。 その大社に伝わる古文書や平安時代の書物に記されていた 『 出雲大社は奈良大仏殿( 高さ46m ) より高かった 』 という記述。 幾度も "転倒" したという記述。 現在の出雲大社本殿の高さは２４mでこれでも相当大きい( 厳島神社の大鳥居の高さが１６m )ですが、高さと底面の比から言ってどう見ても転倒はしそうにない。柱の間隔と配置からして「転倒」するためには相当の高さが必要だと思われます。３本の大柱を束ねて巨大な１本としたと伝える奇妙な金輪御造営図の存在。
神話のような ”伝承” に過ぎなかったそれは、昔の人々が大げさに誇張したお話であって事実のはずがない、と受け止められてきました。古代出雲大社が現在の本殿高さ２４ｍを大きく超える４８ｍあったという説は、長らく学会の主流の説ではなかったのです。
■しかし２０００年に地下室を造成していた出雲大社で、金輪御造営図を裏付ける、径１ｍの柱を３本束ねた巨大な宇豆柱が発掘されたのです。大げさな神話ファンタジーのはずが、巨大な寸法で実物が出てしまった。 ３本束ねの巨大柱が１本出たので、調査団は金輪造営図が 「 隣の柱がある 」 と示す場所も掘ってみました。するとそこにも巨大柱が埋もれていたのです。 配置寸法が正しい図なのであれば、そこに記されている本殿へ上がる斜路( 引き橋 )の長さが１００ｍ超という数字や、奈良の大仏殿より出雲大社のほうが高い、という口遊みの話も、正しいのかも知れません。 それが小説やマンガであっても出来過ぎで信じにくいようなドラマです。 主流派学説が一気に交代する大逆転事件でした。
十六丈( 48m )説派には「口遊の記述」や「金輪御造営図」や「出土した巨大柱」などの補強材料があります。
今後は「４８ｍはなかった説」「高くとも３０ｍほどだろう説」の側が、その証拠や資料を探す番です。
 
 
  
 
  
 

■インターネット上で「古代　出雲大社」を検索すると幾つもの復元模型やイメージ図がヒットします。多くの復元図では高床が地面から３０ｍほどのところに設定されています。その上に本殿があって総高さが４８ｍほどになる姿図です。
また多くの復元図では地面から３本束ねの極度に太い柱が上へ伸び、本殿床を貫通して屋根を支える高さにまで達しています。　　床上の本殿は直径３ｍの太い柱が林立するので、柱の間の壁が小さくなり "柱のお化け" といった風情です。

■私たちのイメージ図では本殿床を４ｍほど下げました。脚の長い欧米人体型の復元図ではなく、顔のでかい日本人体型です。
また各３本束ねの巨大柱群は地面から伸びて本殿床を支えるところまでを３本束ねとし、床から上では３本束ねのうちの１本だけが屋根まで伸びることとしました。 上へいくほど支えるべき重量が小さくなるので、最上部の屋根付近まで柱が３本束ねである必要はない、という判断です。　事実、現在の( 脚が短く総高２４ｍでも十分デカイ ) 出雲大社は、直径約１ｍが３列×３列の９本柱で、あの巨大な屋根( → ) を支えています。 　屋根を支えるという目的ならば 径１ｍ×３本 のうち各１本だけ上へ伸ばせば十分だという、学術的な根拠は特にない、イメージ想像図です。このイメージ図からは直感的に、「大仏殿を建てることができた技術を用いれば、こういう建築物も有り得ないモノではなかった気がするなあ」という印象を持ちます。
 
 

■ところで金輪御造営図では３本×３列で９本立つ柱のうち、斜路が本殿へたどり着くところの 「本殿前側中央の柱」 は前へ、 　　「本殿背面側中央の柱」 はもっと背面へと、他の柱の並びから少しズレていたように描かれています。 その２本の柱は斜めに立っていたのではないかという説もあるようです。鳥居の2本の柱が斜めに立っているような具合に。けれどもこの復元図に斜め柱は取り入れていません。土で小山を作って柱を支えておいて柱を組み、あとで柱を支えていた土を除去したのかもしれませんが、本殿床高さが２５ｍを超えるとなると、超重量の柱を斜めに保つ施工方法が想像できなかったからです。 クレーンが無い時代、彼らは動滑車も持っていなかったと想像します。

●3013年３月７日夕に米子市駅前ワシントンホテルプラザで開催される古代出雲大社などに関する講演会会場の賑やかしに、友森工業製の模型と復元CGが展示されました。
 
  
 
  
 
 
 

 

ＪＲ松江駅休憩スペースのステージにおいて、当社社員が趣味で製作した４８ｍ時代の出雲大社の模型が、2013年6月16日～ ８月展示。

趣味の模型を公共空間に展示して活かしてくださったＪＲ松江駅さまに、大感謝です。

その後 「神在月」 に合わせて2013年 ９月９日月曜日から、JR出雲市駅構内や出雲市内で展示予定。

この模型製作の 材料費・工具代金・設計製作労務等に、税金投入を頼んではいません。 市民と企業の自主的な観光振興貢献です。

2015年１月 松江市内の某観光施設に４８ｍ神殿ポスターが掲示されます。